法事作法所作を凛とする

④葬儀社で湯灌。そして、納棺の儀

映画「おくりびと」で本木雅弘さんが演じていたのが、遺体を棺に納める納棺師。

2008年に上映された映画ですが、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。この映画は、本木さんが「納棺師をやりたい」と言ったのが映画制作のきっかけとなり、私は、この映画で、はじめてこのような仕事があることを知りました。

さて、枕経を済まし、自宅で一夜を過ごした後は、翌日夜7時から通夜が行われるため、故人は午後から葬儀社へ運ばれていきました。そこで、行われるのが、湯灌です。湯灌が行われる個室へと案内され、家族が見守る中、湯灌がはじまりました。

湯灌とは、ご遺体の身体や体を洗い清め、化粧を施し、洋服などを着せて頂き、身支度を整える儀式です。

私がお願いした葬儀社では、男女1組の若いスタッフがやってくださいました。まず、スタッフが湯灌の儀の言葉を述べ、家族ひとりひとりが順番に足元から胸元にかけ故人に湯をかけていきました。その後は、スタッフに委ねます。女性スタッフが、確か、足元から順に身体を洗っていき、男性スタッフはまずは顔を洗い、顔剃りを行っていました。スタッフは20代の若い二人だったのですが、時々、家族に故人との思い出を聞いてくださったりして、とても和やかな雰囲気で行われ、きっと故人も気持ちがよかったのではと思います。その若い二人の真摯な仕事に対する姿勢に、胸が熱くなったほどです。

ひと通り湯灌が終わると、ところどころに消臭剤を入れ、家族は部屋から退出します。その後、死化粧を行ったり、家族が持参した洋服を着せる作業となり、納棺されます。

納棺後、故人と対面となります。私の場合、畑で倒れたこともあり、顔にうっすらと無数の傷がありやや苦しんだように見える顔つきだったのですが、すっかりキレイな穏やかな顔で、とても安堵したのを覚えています。

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